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ローマ人の物語Ⅵパクス・ロマーナ / 塩野 七生 [歴史の本]


ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 文庫


文庫版14~16巻。今度はアウグストゥスの巻です。

カエサルの後継者指名を受け、アクティウムの海戦などを勝ち抜き、カエサルの後を継いだオクタヴィアヌス。
第一人者の称号も受け、アウグストゥスと呼び名も変わります。

アウグストゥスもまた偉人です。
カエサルとはまた違うタイプで、適材適所な感じでしょうか。

あれだけ1人が権力を持つことを嫌っていたローマの体制を、気づかれないように事実上帝政のように進めていく基礎を築きます。
元老院主導に見せかけて、実は自分が権力を握っているというような。
アウグストゥスのやり方がとても巧みだったのでしょうが、カエサルのように暗殺されることはありませんでした。
ローマの人々も、このままの体制ではもう難しいことを、うすうす感じていたのかもしれません。

自分が参加すると必ず負けるというほど武運に恵まれないアウグストゥスでしたが、カエサルは見越してアグリッパを軍事面担当としてアウグストゥスにつけていました。
メセナの語源ともなるマエケナスも加えて、なかなかの3人組です。

アウグストゥスも本を残してはいますが、(塩野さんによると)カエサルのように読み物として面白いものではないようです。
もちろん表現の仕方とかもあるのでしょうが、それよりも、自分の考えなどを書いてしまうと、帝政に推し進めようとしていたことがばれてしまうということがあったようです。

様々な細々としたことまで、制定していきます。
これが、後のローマの基礎となっていくわけです。
カエサルに比べると、地味な作業に思えるかもしれませんが、後のローマにはなくてはならない存在であり、逆に言うとカエサルのやり方では出来なかったことなのかもしれません。

カエサルの描いた構想を、アウグストゥスのやり方で具体化していったといえるでしょうか。
帝政ローマの、パクス・ロマーナ時代の幕開けです。
タグ:塩野七生
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コメント 6

ike-pyon

ローマの歴史で一番面白いところですね。
私も「ローマ人の物語」を読んでいますが・・・
実は、ハンニバルの所で止まっています。
早くカエサルやアウグストゥスに会いたい。
そのためには、また読み進めなければ。
by ike-pyon (2010-09-24 19:57) 

あきえもん

ミナモさん、ご訪問&nice!ありがとうございます。
by あきえもん (2010-09-26 10:34) 

あきえもん

ike-pyonさん、コメント&nice!ありがとうございます。
ike-pyonさんも、読んでいらっしゃったんですね。
カエサルやアウグストゥスは、ローマの転換期であり絶頂期に活躍した人物ですものね。そして、「格」が違う気がします。
ハンニバル編もカエサル編に続いて面白かったですよ。
by あきえもん (2010-09-26 10:40) 

リュカ

ローマの歴史って好きでこれも読んでみたいんですが、けっこうな数出てますよね……。
ゆっくり腰をすえて読書する時間が欲しいです^^;
by リュカ (2010-09-27 21:00) 

あきえもん

リュカさん、コメント&nice!ありがとうございます。
確かに長いです。今現在40巻出ていますよね。
おそらく来年最終巻が文庫化されるのではないかと思っておりますが・・。
記録によると、2008年の7月に1巻を借りてきているので、2年間越しです。現在やっと32巻(^^;
by あきえもん (2010-09-28 21:24) 

あきえもん

いっぷくさん、ご訪問&nice!ありがとうございます。
by あきえもん (2010-09-30 22:59) 

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