二都物語 / ディケンズ [海外作品]
世界の文学を読んでみよう。
初めは諸々の事が点と点だったのが、読み進めるにつれて線となりつながっていく印象。
上巻では「で、このお話はどこへ向かっていくの?」という感じでしたが、最後には「こういうことだったのね」という感じです。
話がつながったところで、もう一度最初から読んでみたいと思う話でした。
はじめのうちは、誰が主役なのかもはっきりせず。
きっとチャールズなんでしょうが、私は最初、銀行家のロリー氏が主人公かと思っていました。
ある意味、初めから最後までを見届ける者として、あながち間違いでもない気もしますが。
チャールズ・ダーニーはフランスからの亡命貴族。
パリを捨ててロンドンへ。
かつての従僕の身を案じてパリへ戻らなければ、どうなっていたのだろう?
マダム・ドファルジュとの関係には驚きました。それこそ、こんなところでつながっていたとは!というところです。
チャールズが可哀相な気もします。自分がしたことではなく、親のしたことの制裁を受けるということ・・。
チャールズそっくりの弁護士のシドニー・カートン。
彼ももう一人の主役でしょう。
愛するルーシーのために、酒びたりの身ゆえに身を引き、さらには自分が犠牲になる。表からではなく陰から捧げる愛情。
私としては、マネット親子が好きです。
フランス革命の前~最中が舞台であり、貴族と平民の差も描かれています。
貴族が悪いばっかりでなく、平民が狂っているという印象を強く受けます。
現代に生きる私は、フランス革命においては「貴族の特権をなくして平民が自由と平等を勝ち取る」という意味で、なんとなく貴族=悪、平民=善のイメージでいたので、新鮮な発想でした。
両方の面から見ることが大切なんでしょうね。
解説が、なぜか批判的・・。
タグ:ディケンズ
「二都物語」は、ディケンズの作品の中で、私が最も好きな小説です。特に、後半のシドニー・カートンは、かっこいい。
by ike-pyon (2011-09-12 03:46)
ike-pyonさん、コメント&nice!ありがとうございます!
私も、後半のシドニー・カートンは格好いいと思います。
by あきえもん (2011-09-13 18:54)