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ウィーンの密使―フランス革命秘話 / 藤本 ひとみ [国内作品]


ウィーンの密使―フランス革命秘話 (講談社文庫)

ウィーンの密使―フランス革命秘話 (講談社文庫)

  • 作者: 藤本 ひとみ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/05
  • メディア: 文庫


初めて読んだのは、おそらく15年ほど前(文庫化される前だから)。
でも記憶は曖昧で、今回改めて読みました。

ウィーンと付いているけど、フランス革命のお話。
オーストリアのレオポルト(当初はまだ皇帝ではない)の密使として、マリー・アントワネットの下へ派遣されたルーカス。密使なので、遣わされたことは秘密。アンリ・ドゥ・ラ・ロシュジャクランの腹違いの兄で、個人的にフランスへ来たことになっている。

アンリは実在の人物のようだけれど、おそらくルーカスは架空の人物。
どうやら私は、藤本ひとみさんの作品では歴史的事実にある程度フィクションを絡めたお話の方が好きみたいです。

ルーカスとマリー・アントワネットとは幼なじみでもあり、ルーカスが教えた処世術が逆効果となり、人を指に巻く女と呼ばれるようになっていた。
その責任と主君レオポルトのために、フランス革命が波及しないように努め奔走する。

ロベスピエールとの出会いも見どころ。
藤本ひとみさんのロベスピエールはどの作品でも尊い人物として描かれているように思います。

ところが、女好きのルーカス。これはまずいぞ、と思ったら案の定。
祖父と一緒にやれやれという気持ち。
最後はやっぱり・・?密使としての運命。なんというか、やるせない。

マリー・アントワネットについては、「王妃マリー・アントワネット青春の光と影」「王妃マリー・アントワネット華やかな悲劇のすべて」を読んだときは、そこまでどうしようもない人だとは思わなかったけど、こちらを読むと、う~ん(^^;という感じ。世の中的にはこちらの本のイメージなんじゃないのかな。
同じ作者でも、誰の立場で書くかでずいぶん人物像が違う。わざとかな、という気もするけれど。

集英社文庫からも「マリー・アントワネットの恋人」と改題されて出ているもよう。
ルーカスは恋人という感じではないので、「ウィーンの密使」の方がぴったりな気がします。
タグ:藤本ひとみ
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