ローマ人の物語XVローマ世界の終焉 / 塩野 七生 [歴史の本]
文庫版41-43巻。ついに終焉を迎えます。
蛮族でも、ローマ人の精神を持ったスティリコの活躍。
印象に残っているのは、西ローマ帝国が滅びたとされる476年も、ローマ市民にとっては劇的なものではなかったのだろうということ。
すでに首都はコンスタンティノープルに遷都され。蛮族との戦いは相変わらず続けられ。
もし、その当時にリポートしたとしたら、「え、そうなんですか?」「まだ滅びてなかったんですか?」的な実感のなさ。まるで他人事。
皇帝が退位したというだけで、市民の生活にはあまり変化がないという事実。
蛮族による統治も、軍は蛮族担当でも、内政はローマ人との共生を図っている。
ただその後、東ローマ帝国との争いによって、さらなる荒地となるのは皮肉。
時代とともに変化してきたローマ。何をもってローマの終焉とするのか。
地中海が我らが海・・内海ではなくなったとき、とするのは、なるほどなと思いました。
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