太平天国 / 陳 舜臣 [国内作品]
全4冊。
阿片戦争の7年後。登場人物が被るところがあり、阿片戦争の続編みたいな感じです。
連維材の息子、理文の目線で進みます。
哲文は琉球にいて、当時の日本の様子とか出てくると、なんだか嬉しくなります。
新しい国を立ち上げるというと、水滸伝を連想しました。
中国では政治が腐敗してそれを倒して新たな政権を立てるという歴史が、他の地域に比べて多い気がします。
この太平軍も水滸伝の梁山泊も、世直し的な意味では善なのに、反乱軍という意味で悪になってしまう。政権をとってしまえば、勝者が正義ということで、善になるんだろうな・・。
でも、太平軍は太平軍で、南京を占領してからは腐敗が進んでいる。権力を持つと腐敗するというのも世の常なのだろうか・・。
太平天国は、キリスト教を元にした拝上帝会から発した組織。宗教が元というのがなんか危うい。
客家とか纏足とか清の時代の生活も表されている。
またイギリスも利益を狙っていて、内乱している場合でもないのに、なんて思ってしまう。
連維材は先をみる力が優れていて、こういう人が主導者になれば国を良い方向に導けそうなのに、なんて思ってしまいました。連維材は架空の人物みたいですが(^^;
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