ローマ人の物語Xすべての道はローマに通ず [歴史の本]
ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉 (新潮文庫)
- 作者: 塩野 七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09
- メディア: 文庫
文庫版27・28巻。
ここへきて、インフラについての1巻。
確かに、ローマのすごさはインフラにあるといっても過言ではないかもしれない。
全土の道を整備して飛脚も行き交いやすく、それこそローマにいながらにして帝国全土を知ることが出来る通信網。まさに「すべての道はローマに通ず」。
開拓時には、必ずインフラを整備する。戦闘要員は建設要員でもある。ローマ化=インフラ整備。民族の個性は認めつつも、インフラを整備することによってローマ化を実現させる。
そして、ただ作るだけでなく、補修にも精を出すところがローマのすごいところ。
「橋」も項目の一つとして取り上げられています。
橋と一言で言っても様々な種類があります。
ローマの橋といえば、石造りのものが思い浮かびますが、防壁(リメス)である川の向こうへ渡るときの、船を並べただけのようなもので、容易に架け外しが出来る物が印象的です。ケースバイケースのローマ人らしさを象徴しているようで。
橋は道路の延長にあるもの。
道路だけでなく、水道も。水道も水の「道」。
ローマの水道橋「ポン・デュ・ガール」は有名ですね。
水道を整えることによって、諸外国より衛生面でかなり優れていたことでしょう。
入浴の習慣とかもね。
また、ソフトなインフラと呼ぶ、医療や教育。
ローマ人の健康や知的水準を維持する仕組み。
医者と教師にはローマの市民権を与えたところが成功へとつながる。
ローマを陰で支えたインフラや制度。
こうしたものが失われてしまった中世が残念です。
タグ:塩野七生
コメント 0