プルタークの物語 / 阿刀田 高 [国内作品]
上下巻の全2冊。
『ローマとギリシャの英雄たち』という名前で文庫版も出ているようですが、図書館になかったのでハードカバーで読みました。
阿刀田高さんの教養エッセイ。今回はプルターク(プルタルコス)の英雄伝(対比列伝)。
対比列伝は、その名の通り、ローマとギリシアの人物を対比して、1人ずつ紹介した後に、考察が書かれているらしい。
阿刀田さんは、ある程度有名どころに絞っているので、片方の人物はもう一人の人物の章の最後に少し書かれているだけの場合も。
聞いたことのある人物のほうが読んでいて面白いから、私はそれでいいと思いますが。
上下各12章。
ギリシアの方が最盛期が早いので、前半はギリシア、後半はローマの人物が多くなります。
下巻の冒頭の、アレクサンドロスとカエサルにはそれぞれ2章が割り当てられています。この2人は対比ではなく、1人ずつ書かれているとか。
読んでいて、印象が変わったのは小カトー。
おそらく、初めの知識は塩野七生さんの『ローマ人の物語』によるものなので、カエサルの政敵となる小カトーはあまり良いイメージではなかったのが、こちらを読んで覆されたのでしょう。が、具体的にはあまり覚えていない・・。
よく知らなかった人物で興味を持ったのは、デモステネス。
最盛期を過ぎたアテネで、アテネを導く弁論家。
同じく阿刀田高さんの『獅子王アレクサンドロス』を読んだときに登場して、あの人だ!と頭の中でつながって嬉しかったです。
対比列伝に、アウグストゥス(オクタヴィアヌス)の項目はないんだな・・。
でもきっと、書かれなかったのではなくて、失われたのだろうな、と推測。
対比列伝そのものを、読んでみたいと前から思っていて、今も少しは思っているけれど、とりあえずはこれを読んだからいいかと思っているところでもあります。
タグ:阿刀田高
私は、ちょうど文庫版を読み終わったところです。
文庫版のタイトルは、「ローマとギリシアの英雄たち」。
期待通り、とても面白かったです。
by ike-pyon (2013-10-31 05:16)