カエサルを撃て / 佐藤 賢一 [国内作品]
ガリア人からみたガリア戦記。
通称ヴェルチンは、<勇者の中の勇者にして偉大なる王>という名のヴェルチンジェトリクスとなった。
ローマ側からはウェルキンゲトリクスと呼び名が違うところも細かくていい。
禿を神経質に気にするカエサル。
ユリウス・カエサルを文字って、モエクス・カルウス(禿助平)と呼ぶほど文句を言うカエサルの部下たち。
でも、あるときを境に変わるカエサル。
部族間の統制をなんとかとろうとするヴェルチン。
まとまりが希薄な彼らならではのゲリラ作戦。焦土作戦。
ローマ人はやっぱり土木工事なんだなあ。
カエサルが勝つのも、必然ではなくて偶然という印象。どちらが勝ってもおかしくない。
カエサルの妻カルプルニアを奪うヴェルチン。
カエサルは妻をガリアへ連れて来ていたとは予想外。
カルプルニアを陵辱することで、ローマをカエサルを征服することを意図しているのか。
最後にはヴェルチンは自分の妻のエポナを認めているところが、ガリア人として誇り高く生きた象徴のように感じる。
エポナの名が馬の女神ということは、サトクリフの作品を読んでから頭に残りました。
ドルイドの役割とか、共通するものがあって読んでいてわくわくします。
タグ:佐藤賢一
2014-05-04 08:15
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コメント(4)
ガリア人からみたガリア戦記。
その記述から、ふと気になり書棚を見渡すと・・・
ありました。
「ケルト人のガリア戦記」原修二著新紀元社1990年初版
20年以上前、私はアイルランドやケルトに
興味があった頃購入したものです。
パラパラと眺めた程度でしたが、
あさえもんさんの記事が刺激になりましたので、
改めて、読み直してみたいです。
by 星のない街路にて (2014-05-07 09:36)
星のない街路にてさん、コメントありがとうございます。
私の記事がきっかけになったなんて光栄です。
そんな本があるんですね。
サトクリフの作品を読んで、私もケルトには少々興味を持っています。
カエサルのガリア戦記もまだ読んでいませんが、そのうちには挑戦してみたいと思っています。
by あきえもん (2014-05-07 19:05)
ローマ人の土木技術は有名ですね。
神の技術と勘違いしたガリア人が降伏したエピソードも
あるくらいですしね。
取り込まれたガリアと敵対を続けたゲルマンとで、
ローマの命運を分けたような気がしますね。
by しょう (2014-05-07 21:20)
しょうさん、コメントありがとうございます。
塩野七生さんのローマ人の物語を読む前の私でも、ローマの遺したものといえば法と土木建築が思い浮かぶくらいでしたし。
神の技術・・そう勘違いするのも分かるような気がします。
ガリアとゲルマンの対比も面白そうですね。
by あきえもん (2014-05-08 21:10)