剣闘士スパルタクス / 佐藤 賢一 [国内作品]
古代ローマ共和政末期の時代。
"スパルタクスの反乱"のスパルタクスのお話です。
スパルタクスが自ら反乱を起こしたというよりも、同僚たちにそそのかされて、持ち上げられて、頭にされた感じ。
剣闘士にも、トラキア系、ガリア系、ギリシア系とあって、それぞれの得物やそれに合った具足があるということで、へえそうなんだーと読んでいて面白かったです。
アクションも読み応えがありました。でも、後半より前半の方が良かったかな。
スパルタクスはトラキア人。
ギリシア人のオエノマウスのような、頭脳派が好きみたいです。先にいなくなってしまって残念。
ガリア人のクリクススはちょっとずるい気もするけど、そんな最期もありかな。
反乱軍、ついてくる人々の身勝手さ。藤本ひとみさんの『聖戦ヴァンデ』の民衆を思い出す。
アイドル的な存在の一流の剣闘士であったスパルタクスは、奴隷であった時の方が良い暮らしぶり。
ただ剣闘士であり続けたならば、殺人鬼であり続け、しかも同僚と戦わなければならない。それでも、剣闘士の学長という選択肢もいずれはあったのかな。
同じく西洋歴史小説を多く手がけている藤本ひとみさんの作品は宝塚的に小奇麗なのに対して、佐藤賢一さんの作品は下卑た感じなのが対照的な気がします。
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