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双頭の鷲 / 佐藤 賢一 [国内作品]


双頭の鷲

双頭の鷲

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 単行本


双頭の鷲というタイトルから、勝手にハプスブルクの関係のお話かと想像していました。
由来は全くかけ離れたものではなかったけれど。

百年戦争前半~中盤の、主にフランスが舞台。
百年戦争というと、ジャンヌ・ダルクの活躍が思い浮かぶけれど、何気に他にもフランス側の活躍があったのですね。(まあ、そうでないと百年も続いていないか・・)

ベルトラン・デュ・ゲクラン。
戦争では大活躍した彼ですが、どうも下品で、親しみやすさはあるけれど、あまり好きになれませんでした。
好きにはなれないものの、愛着はわいてくる(矛盾してる・・?)。作中に登場する、ベルトラン人形とか見てみたいし。
終盤になってくると、孤独な感じが哀愁を帯びて、ちょっと可哀相。その頃は、元帥として立派な人物を演じていた時代。本来の自分を押し殺していたからかな・・?

女性嫌いだったが、トラウマを払拭し、ティファーヌと結婚。
ティファーヌの占いが、ベルトランの運命を左右する場面とか印象的。
自分の死後5年分の占いの結果を渡していたとか。
それなのに、あんなに愛していたのに、ティファーヌが亡くなってから(その少し前からか)、なんかそっけない。変わってしまったのだなあ・・。

シャルル5世は、賢王とか税金の父と呼ばれる。
そんなシャルル5世とベルトラン・デュ・ゲクラン元帥のコンビが、フランスを先導していくのが見どころでしょうね。

エドワード黒太子の、ベルトランに迫られた時の恐怖体験。
イギリスに引き揚げてからも、死ぬまで恐怖に襲われ続ける。

私的には、従兄弟であるエマヌエルの方が好印象です。僧侶であり、ベルトランの補佐を果たす。
シャルル5世に関わる、薬師のクリスティーヌも結構好きです。
敵ながら、お互いに認め合うベルトランとグライー。
シャルル5世の弟のアンジュー公ルイやベルトランの弟たちなど、脇役たちもいい味出しています。
母親とのわだかまりも解消されたようで、良かった良かった。

最初の100ページくらいは、なんとか読み進めたという感じでしたが、その後は普通に読めました。
タグ:佐藤賢一
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コメント 2

ハンタ

初めまして、こんばんは。
ご訪問&NICE!、ありがとうございました。
『双頭の鷲』は読んだことがないので、今度読んでみたいと思います!
by ハンタ (2012-08-13 19:40) 

あきえもん

ハンタさん、こんにちは。
こちらこそ、ご訪問&コメント&nice!ありがとうございます。
私も『小説フランス革命』読んでみたいと思っているのですが、図書館に文庫版が置いていないので、保留中です。
by あきえもん (2012-08-19 08:04) 

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