第九軍団のワシ / ローズマリ・サトクリフ [海外作品]
サトクリフの作品を読んでみたくて、まずはこちらから。
たまたまだったのですが、ローマに縁があるのかしら。ローマン・ブリテンシリーズ1作目です。
映画化もされているようですね。
ローマ帝国の辺境ブリテン。
マーカスの父も所属していた第九軍団は北へ向かったまま消息を絶った。
マーカスはいつかその謎を解き、第九軍団を復活させたいと思っていた。
しかし、百人隊長になったマーカスは、ブリトン人との戦いで負傷し退役を余儀なくされた。
闘技場でブリトン人の奴隷である闘技士に出会う。マーカスはこの奴隷、エスカを買い取り自由の身にしたが、エスカはマーカスの元に留まり、従者となることを選んだ。
エスカが捕らえてきた狼の子チビ、隣人の少女コティア、そしてエスカの介護で、傷心のマーカスは少しずつ立ち直ってきた。
そんな時、マーカスは消えた軍団の象徴である「ワシ」が北で目撃されたという噂を耳にし、取り戻しにエスカと共に旅に出る。
闘技場で、試合の後観客に意図を問う。親指を上に向ければ「生かせ」、下に向ければ「殺せ」。このジェスチャーはここから来ているんだと知りました。
旅に出てからのほうが面白い。
ギリシア人の薬を持って、目医者としてハドリアヌスの壁を越えていくマーカス。
エスカと2人で乗り超えていく困難の数々。民族や身分を越えて深まっていくエスカとの絆。
氏族の生活。見事に描写していると思います。
実際に目医者として活躍したりと、氏族に溶け込んでいく場面が好き。
軍団の消息や父の指輪についても、見事に解決。
ワシの行方やマーカスたちのその後についても、感動的な良い終わり方だったと思います。
羽の失われたワシと、消えた軍団は事実らしく、そこから生み出された話だそうです。
実は、「ワシ」はずっと軍旗だと思って読んでいたのですが、どうやらそうではなくて彫像のような置物のようなものらしい。
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