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水滸伝 / 北方 謙三 [国内作品]


水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

  • 作者: 北方 謙三
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/10/18
  • メディア: 文庫


三国志が読み終わったので、次は水滸伝・・そんな感じで読み始めました。
三国志は世界史にも出てくるしなんとなくは知っていたけれど、水滸伝についてはほとんど知りませんでした。ゲームの『幻想水滸伝』とかこれからきているんだろうな、くらい。つまり108人が集まって、本拠地があって・・ということくらい。

三国志と同じく、原作のあるものをここまで自分のものとして書くなんて、すごいなと思う。ただ、本来の水滸伝を知らないものだから、どう違うのかわからないという落とし穴・・。

相変わらず、男(漢?)たちの物語、という感じ。男くさい。女性も登場はするけれど。

12世紀、北宋末期。王安石の改革からしばらく(二世代くらい?)経ったくらい。
役人は腐っていて、世直しのため、宋を滅ぼそう、新しい国を創ろうとして集まる、梁山泊の仲間たち。

だんだん仲間が集まってくるところが好き。どんな人生を歩んできて、どんな風に仲間に加わったか、人間性も魅力的に描かれている。だから、魯智深や宋江が旅して仲間に出会う前半の方が好きかも。

そして、鍛冶だったり大砲だったり、医術だったり諜報だったり、印や書の偽造だったり、軍事以外でもそれぞれの特技を生かして、それぞれが活躍し、それぞれに焦点があたっているところがいい。
闇塩、飛脚網、牧や工房。まさに1つの国が出来ていくようでわくわくします。

さらに、王進の子午山。どこか弱いところがある者も、生まれ変わったかのように成長して梁山泊へ帰って行く。心を育てる育成所のような存在。

宋側にも裏の組織の青蓮寺という存在があり、彼らは彼らで国の在り方を問い、単なる悪い敵ではないところが曲者。
悪と書いたけれど、歴史的に見れば梁山泊側が叛乱軍になるんだよね。勝ったほうが正義になってしまう。

終盤、2世とも言える子供たちがところどころ出てきて、『楊令伝』への布石なのかなとうかがわせる。
タグ:北方謙三
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