オクシタニア / 佐藤 賢一 [国内作品]
13世紀の頃の話は珍しい気がします。アルビジョワ十字軍の頃のお話です。
オクシタニアは南フランスの一地域。
オクシタニアの言葉に関西弁が使われているのが面白い。
そのオクシタニアで広がっていたのが、この世は地獄だとするカタリ派。
カタリ派は異端をとされ、一掃しようとする動きがアルビジョワ十字軍(本の中ではこの言葉は使われていなかったと思うけど)。
オクシタニアの中心地、トロサ(トゥールーズ)で、カタリ派に傾倒するジラルダ。
夫のエドモンは打ちのめされた後、ドミニコ修道士に救われる。
妻を救いたい。その一心でエドモンは修道士となる。
ドミニコ修道会の成立もこの頃。少し前くらいか。
章によって目線が異なる。
よって、北部フランス側、南フランス(オクシタニア)側、カタリ派側、ドミニコ修道会側と、それぞれの内情がわかります。主人公がかわるのは最初びっくりしたけど、それぞれの立場を理解するのにはいいのかも。
シモンドモンフォール。どこかで見た名前だと思ったけれど、おそらくそれは同姓同名の息子の方らしい。北フランス側の指導者として登場。
ジラルダの選んだ道。指輪がとても印象的です。
そして、プロローグはそういうことだったのか、と後になって気がつく。
この時代(後半)の王はルイ9世。聖王と呼ばれ、ルブルックを中国に派遣した王だよね。ほぼ同時代なのか。
フランスの王権は、これから南部へと拡がっていく。
タグ:佐藤賢一
コメント 0