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レパントの海戦 / 塩野 七生 [歴史の本]


レパントの海戦 (新潮文庫)

レパントの海戦 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1991/06/28
  • メディア: 文庫


ヨーロッパVSトルコの戦い第3弾。
やはりヴェネツィアが主力。
でも、世界史ではスペインの勝利のイメージだったような。頭領がスペイン王弟だからか。それ以後、スペインが力を持つし。
もはや、ヴェネツィアは舞台裏の立役者なのでしょうか。

王権が強くなってきた列強。ヴェネツィアの影が見え始めます。
フランスはスペインと敵対するから、味方しない。
ローマ法王も、あまり力を持たない。
なかなか戦力が集まらない。
キリスト教徒の間でも、不協和音がきかれる。

トルコの海軍は海賊が主力。もとキリスト教徒もそれなりにいたらしい。

ヴェネツィアの兵の犠牲の多さ。それだけ前線に出ていたということ。
戦いの合間のバルバリーゴとフローラのやりとりが和み。それゆえ余計にバルバリーゴが戦死するのは悲しい。
白いキルトの男も印象的。アントニオ・ダ・カナーレ。重い甲冑は動きにくいから身につけなかったとか。

コンスタンティノープルでのヴェネツィア大使バルバロの役割。
もっと彼の声を重要視していれば。
『見たいものしか見ない』カエサルの言葉が思い出される。
タグ:塩野七生
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ロードス島攻防記 / 塩野 七生 [歴史の本]


ロードス島攻防記 (新潮文庫)

ロードス島攻防記 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1991/05
  • メディア: 文庫


ヨーロッパ対トルコ(キリスト教世界対イスラム教世界)の戦い3部作の2作目。
前作コンスタンティノープルの陥落を皮切りに、勢力を広げていくオスマントルコ。
キリスト教世界の最前線に位置するロードス島が邪魔なトルコは、1522年スレイマン大帝自ら攻略を開始した。

コンスタンティノープルの陥落やレパントの海戦に比べて馴染みが薄い戦い。
そして、トルコ最盛期のスレイマン1世の時代。

聖ヨハネ騎士団が本編の主人公であり、アントニオやオルシーニという騎士たちが活躍するのですが、私的にはヴェネツィアびいきのせいか、ヴェネツィアの建築家マルティネンゴの印象のほうが強いです。
ヴェネツィアとしてはトルコとの関係があるので、マルティネンゴが個人として加わった形となっている。
城砦の改良だけでなく、トルコの掘る坑道を察知し攻撃を防いだりと攻防戦中も活躍。

スパイがいるのでは・・。ユダヤ人の印象が悪くなるなぁ。ちなみに、ユダヤ人は騎士団員としてではなく医師として駐在していた。
聖ヨハネ騎士団も、籠城が続くうちに内部分裂していく。

トルコ側の出す降伏条件も、そんなに悪いものではない。むしろかなり紳士的。
逆に言えば、そうまでしてロードス島を手に入れたいということなのだろうけど。
住民たちは降伏に傾いていく。

騎士団長リラダンとスレイマン1世の会見。
敵ながら、勝者と敗者でありながら、お互いの騎士精神を敬いあい認め合っているところが心地よい。

敗れた後の聖ヨハネ騎士団。放浪の末、マルタ島を与えられる。聖マルタ騎士団となり、新たな城砦を築く。首都の名前には、騎士の名前、ラ・ヴァレッテが名づけられた。

今読んでいる漫画『夢の雫、黄金の鳥籠』に登場するスレイマンの側近のイブラヒムの名前も出てきて、実在の人物なんだぁと驚いていました。

ロードス島の名前は薔薇の島からきているとか。
タグ:塩野七生
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江戸アルキ帖 / 杉浦 日向子 [歴史の本]


江戸アルキ帖 (新潮文庫)

江戸アルキ帖 (新潮文庫)

  • 作者: 杉浦 日向子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/04/28
  • メディア: 文庫


読了は1年前。
江戸が「有る気」になって「歩き」、そんな「或る記」。

毎週江戸にタイムスリップし、江戸の町を散策する。
その1コマを絵日記風に、上半分はイラスト、下半分に文。
イラストがなかなか素晴らしいです。雰囲気がよく伝わってくるし、一見写真のようにも見えるものもあったりして。

タイムトラベラーのライセンスを取得し、級によって滞在できる時間が違ったりするのも面白い。初めは4級。3級になると夜までいられるようになる。
物を持ち帰ることは出来ないけれど、食べたりすることは出来る。
始まりは日本橋で、その時の気分で北に行ったり南に行ったり。どうやら猪牙(舟)がお気に入りだったようで、舟の旅が多いかも。

杉浦日向子さんの本を読んでみたいと思って適当に選んだのがこの本だったのだけれど、今度は「一日江戸人」を読んでみたいな。
タグ:杉浦日向子
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塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック / 新潮社編 [歴史の本]


塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック (新潮文庫)

塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック (新潮文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/08/28
  • メディア: 文庫


ローマ人の物語のダイジェスト版。カラー写真付。
あらすじを読むような、復習的な感じで読みました。

ローマの重要な方針
・寛容(クレメンティア)の精神(敗者の同化・ローマ化)
・インフラの整備
・ケースバイケースの法
ローマの迷走の原因
・軍人と文官の分離
あと、ローマの市民権は結構重要だと思ったのに書いていなかったな。

あと、巻末のインタビュー。
ローマ人への20の質問を読んだときにも思ったことが少しこちらでも。答えの明言を避けるというか、読者は読者で考えて欲しい、という答え方をすること。その意図自体はいいのですが、それだったら質問対回答の形式にしないで欲しいというか・・。私的にはそんなところが気になりました。
タグ:塩野七生
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読むだけですっきりわかる世界史 古代編 / 後藤 武士 [歴史の本]


読むだけですっきりわかる世界史 古代編 ピラミッドから「三国志」まで (宝島SUGOI文庫)

読むだけですっきりわかる世界史 古代編 ピラミッドから「三国志」まで (宝島SUGOI文庫)

  • 作者: 後藤 武士
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/08/05
  • メディア: 文庫


口語文で「すっきり」書かれているだけに、そんなに深い内容はない。
身近なところにも同じような話があるよと例を出しているのは特徴的かな。
もうちょっと雑学的な知識を求めてしまったのですが、それは私の選択ミスということで。

新しく得る知識はあんまりなかったかな・・。
東洋の三国時代後の興亡が、「以下同文」的な繰り返しをしていることとかは、そうなんだなーとか思ったくらいか。
現代にも根付いている思想的なことは、割と詳しく書いてあって、そんなところはいいなと思いました。

軽く復習するのにちょうどいい本かも。
中世編以降は読まなくてもいいかと読んだ時は思ったけど、今改めて記事を書いていて、続きも読んでみようかなという気になりました。
タグ:後藤武士
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ローマ人の物語XVローマ世界の終焉 / 塩野 七生 [歴史の本]


ローマ人の物語〈41〉ローマ世界の終焉〈上〉 (新潮文庫)

ローマ人の物語〈41〉ローマ世界の終焉〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/08/28
  • メディア: 文庫


文庫版41-43巻。ついに終焉を迎えます。

蛮族でも、ローマ人の精神を持ったスティリコの活躍。

印象に残っているのは、西ローマ帝国が滅びたとされる476年も、ローマ市民にとっては劇的なものではなかったのだろうということ。
すでに首都はコンスタンティノープルに遷都され。蛮族との戦いは相変わらず続けられ。
もし、その当時にリポートしたとしたら、「え、そうなんですか?」「まだ滅びてなかったんですか?」的な実感のなさ。まるで他人事。
皇帝が退位したというだけで、市民の生活にはあまり変化がないという事実。

蛮族による統治も、軍は蛮族担当でも、内政はローマ人との共生を図っている。
ただその後、東ローマ帝国との争いによって、さらなる荒地となるのは皮肉。

時代とともに変化してきたローマ。何をもってローマの終焉とするのか。
地中海が我らが海・・内海ではなくなったとき、とするのは、なるほどなと思いました。
タグ:塩野七生
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